
60年間、愛された味はこれからも。
本物を次代へ繋いでゆく責任
チロリア 本店 店主・塩見 豊
フラワーバッター方式と直火1本焼きのバウムクーヘンに魅せられて60年、ひと筋に歩んで参りました。日々作り続ける中でこの味は、チロリアだけのものではないと思い、縁のあった弟子たちに技を教えることもしてきました。彼らの店が全国に点々と広がっているのは嬉しいばかりですし、何より今日までチロリアを続けてこれたのも、この弟子たちがいてくれたからに他なりません。
私は今後もできる限り現場に携わっていくつもりですが、ひとまず2026年夏から、一番弟子の兵頭拓にチロリア初の支店を任せることとしました。
今やわたしと同じ味が出せる彼なら、次代へも継いでいってくれる、信を置ける力量の職人に育ってくれたと思います。過去何人も弟子を育ててきましたが、「チロリア」を継ぐ、わたしの跡を継ぐというより、バウムクーヘンの真髄を継いでいく中心にいるのは、兵頭ただひとりです。
兵頭の新たな「チロリア八鹿支店」、本物のバウムクーヘンをこれからもどうぞよろしくお願いいたします。



チロリア 八鹿支店 店主・兵頭 拓
塩見師匠に師事して6年。バウムクーヘン作りは初めてでした。逆にそれが、素直に技術を習得するにはよかったのかもしれません。
最初の頃は、うまくいかず何が違っているかさえわからなかったものです。間近で技を見て、手取り教えてもらっても分からないのが3年以上続き、長いトンネルの中で空回りするようでした。
そんな時、塩見師匠は「私は満足いく1本を、いまだ焼けたことがない」と言われたので、衝撃を受けました。
尊敬する師匠がまだ満足されていないのだと。新参者の自分はまず、愚直に師匠を完全コピーしよう、焼くプレイヤーに徹しようと思い至りました。何故こうなる?と考える前に、師匠の手を真似をすることに集中したのです。
そうしているうちに4年目くらいから「こうすればいいかな? こういうことかも」と、少しずつ見えてきた感触がありました。師匠は厳しくも、途上の私を褒め、育ててくれたことに心底、感謝しています。
今ここに、チロリア八鹿支店を構えさせていただき、師匠の技術・オンリーワンの価値を受け継いでいくことに責任を感じています。これから本物のバウムクーヘンをお届けできることに誇りを持って、まい進してまいります。

